職業訓練を修了しました
ついに半年間のWebデザインの職業訓練が修了しました。
長いようで短いようなとにかくあっという間の半年間でした。
前回の記事で予告しました通り、職業訓練を修了した感想をまとめたいと思います。
構成としましては、訓練校について良かったこと、悪かったこと、それらを踏まえた上での要望とも言える改善をまとめ、最後に私個人としての職業訓練に対する感想を記載したいと思います。
訓練校の良かった点
・教材がとてもわかりやすかったこと
購入した訓練用教材は作りとしては簡易的ではありましたが、内容はとても丁寧な作りで、予備知識のない素人でもわかりやすい作りになっていました。
制作課題一つ取っても、記載された手順通りに操作をすれば誰にでも制作が出来るぐらいのものです。
本当に初心者には丁度良いと思いました。
私自身は独学である程度知っている内容でしたが、おさらいや見落としていた点に気付くきっかけにもなったので、とても有益な教材だと思いました。
もし叶うなら他のソフトの教材も欲しいとすら思えました。笑
・先生のお話が参考になったこと
授業内容は独学で学んでいた要素のおさらいになっていたものが多かったものの、先生個人の実体験等に基づいた見解のお話はとても興味深かったです。
ご当人はさり気なくお話していたものでも案外重要に思えた要素も散見されたので、ある意味通常の授業よりも実入りが良かったです。
実際にポートフォリオ制作や従来の自分個人で運営しているサイトにも活用できるものがありました。
求人の探し方に関するアドバイスも自分が思いもしなかった見識を指摘してくれたので、とても参考になりました。
購入した教材にも引けを取らない価値がありました。
教材と同様に、この時間がもう少し欲しかったと思えました。
訓練校の悪かった点
・機材環境の脆弱さ
訓練生各自に一台のデスクトップPCとモニターが割り振られていますが、Google Meetなどで先生のPCからの動画を視聴しつつ授業を進めるのですが、一つのモニターで視聴と作業を両方やるとどうしても手狭になってしまいます。
誤操作や作業効率の低下になっていることが否めませんでした。
また、ネット環境がとても不安定で、ただのページ移動やGoogle検索をするだけで数分近く時間を要する場面が度々ありました。
・空調設備の脆弱さ
これは訓練校の問題と言うよりは訓練校の入っているビル管理会社の問題ではあるのですが、午後になるに連れて空調が弱すぎて室内が非常に暑くなります。
特にPCはCPUへの空気冷却機能によって排熱をしますので、夏場は室温がとても上昇しやすくなります。
数十人分のPCともなれば熱量もそれだけ多いです。
体感温度で30度近くに達していたのではないかと思えました。
私自身、体温が高い体質なので、暑さに当てられると何もやる気が起きなくなります。
夏真っ盛りの後半の時期は扇子が手放せませんでした…。
・授業の進行ペースの遅さ
全体的に基礎学習からポートフォリオ制作、就活へと至る道筋に余裕がありません。
先生方は在学中に就活を推奨されていましたが、訓練生のほぼ全員が応募材料に用いるポートフォリオが完成していないため、就活へと円滑に移行できないような状態に見受けられました。
職種問わず応募という形で就活をすること自体は出来ますが、それではそもそもこの訓練校に通う意義がありません。
訓練期間中に就活まで実現すること自体が前述の事情で実質的に困難に等しいのはあまり芳しくないと言わざるを得ません。
これに関しては訓練スケジュールやその内容に問題があると思われます。
・キャリアコンサルティングの物足りなさ
必須科目として設けられているキャリアコンサルティングによる相談ですが、全体的に話に実入りが乏しく感じました。
まず、話が自分も担当者も漠然とした抽象的な内容であり、具体的に就職に対して掘り下げた話にあまり発展しません。
取り分け困ったのは担当者の方がWeb系の求人界隈に対する情報の不足が目立ち、半ば社会問題とも言える派遣会社などによるWeb系の求人詐欺に関する知識にも乏しく、こちらからその存在について解説する羽目になり、それだけで自分自身の相談の時間を費やしてしまうという本末転倒になってしまいました…。
訓練校に改善して欲しいこと
・空調環境の改善
夏場のPC作業にはエアコンが必要不可欠です。
狭い室内にいる人数そしてPCの数から考慮しても、28度前後の設定では余裕で30度に達します。
各部屋に温度計などを設置して室内の温度管理を行い、それを踏まえてビル管理会社に空調の調整の交渉材料にして頂きたいです。
受講する上での集中力や作業効率の低下を招き、また熱中症リスクにもなります。
エアコンが作動していても、水分補給をしていても、適切な気温でなければ熱中症は起こり得ます。
この点はどうにか25~28度の範囲ぐらいに安定してほしいです。
ちなみに私の自宅のPCは大型であることとモニターを始めとした機材の多さで夏場は25度設定でようやく平常気温を保てるような状態です。
・機材環境の改善
訓練期間の短さや訓練内容のボリューム的にも機材問題による弊害はただでさえ短命なスケジュールの効率低下という致命的問題になります。
一人一台のモニターは二台にしてもらえるのが最も理想的ですが、それが厳しい場合は何か他の手段でモニターの場所を取らないようにすることを推奨します。
例えば、先生のPC画面で解説する際はプロジェクターなど用いて一つの大きい画面に投影するなどして訓練生にはあくまで自分の作業のためだけにモニターを使うような形が望ましいです。
また、PCは定期的に分解清掃をしないと溜まったホコリで熱暴走や情報処理の低下や故障の原因を招くので、定期的な清掃を推奨します。
スクールという性質上、一般家庭の手入れよりもPCが稼働している時間が長い分、より短いスパンで手入れをしないとたちまちホコリ汚れが溜まります。
ネット環境の遅延にも難儀しました。
これに関してもPCの手入れや契約しているネット環境のメンテナンスや、使用しているLANケーブルの経年劣化・古いバージョンのケーブルなら交換をするなどして対応して頂けることが望ましいです。
前述しましたように短命なスケジュールの都合上、進行の妨げになりそうな弊害は可能な限り解消する必要があります。
・もっと掘り下げたキャリアコンサルティング
これは訓練生側にもある問題ですが、相談するからにはそれ相応に相談する材料を用意しておく必要があります。
しかし、全員各々がバラけたお題で相談されても担当の方は対応に難儀するでしょう。
そこで事前に1~3つほど相談する具体的なテーマを設け、それを訓練生各自に用意・提出して担当者の方が訓練生がどんな相談をしたいのか?をあらかじめ把握・準備してもらう仕組みにすることで、キャリコン当日には漠然とした場当たり的な内容よりも中身のある相談ができると思います。
時期ごとに異なるテーマにすることで段階的な相談の構図を作ることも出来ます。
特に最初のキャリコンはまだ訓練開始の浅い時期なので、就職に関する考えも漠然としてしまいます。
それを踏まえたステップ形式でキャリコンを重ねる毎に内容をより具体化させて行ければ良いのではないかと思います。
当然ながら担当の方にも訓練生の相談に対応できるように昨今の予備知識や事前のリサーチが求められます。
Webデザインの訓練校の訓練生が相手なので、Web求人に関する知識や情報は良いものも悪いものもある程度取り揃えておいて欲しいというのが相談をしたい側としての本音です。
・訓練内容とスケジュールの再検討
基礎学習からポートフォリオ制作、就活といった一連の流れの訓練を修了した率直な感想として、訓練に無駄や不足が目立ちます。
大前提の期待値にまず「就職をする」があります。次いで制約として訓練期間は「半年」な上、毎日通学という訳ではありません。
そしてポートフォリオを制作して修了という形も求められます。
これらを前提条件として踏まえるともっと先鋭的な訓練内容とスケジュールの構成が必要であると考えます。
まず一つ目の問題である「無駄」の要素についてですが、これは本来の本質としては無駄ではありません。
ですが上記の条件に基づいた上で期待値である「就職」を円滑に満たすには無駄として扱わざるを得ないという意味での無駄です。
Webデザインと関係性が薄いExcelの授業や、授業の時間を使わずとも宿題として自宅でやっても良いと思えるジョブカードの作成、そして全般として基礎学習の内容と応用課題の消化に間延びしてしまった感があります。
次いで「不足」の要素として、訓練科目に不足を覚える声も他の訓練生から散見されました。
IllustratorやJavaScript、PHPなどのスキルを求める求人は数多いものの、今回の訓練科目に含まれていないのは不満の一つになります。
実際に必要かどうかはさて置いても、求人を応募する上でこれらのスキルは資格に等しい材料になります。
単にHTMLやCSSだけを求める求人はそれほど多く見かけません。
流行や需要は常に揺れ動きをしています。
訓練科目はそうした時世における求人などの情報をリサーチをして必要な科目を時期ごとに選定・構成して欲しく思います。
限られたスケジュールを満たすために、関係性が薄くなる科目は削減し、それら必須科目の質とボリュームの向上に重きを置くことを推奨します。
↳時世に併せた臨機応変な訓練科目の厳選
それでもスケジュールに収まらない場合は、訓練ではやらなくても訓練生が空いた時間や自宅学習などで自発的に用いられる教材などを提供する仕組みがあっても良いと思います。
正直な感想として、この職業訓練はスケジュールの短さの割に「宿題」と呼べる物が無さ過ぎだとも思えました。
↳自習教材の提供
次に、この訓練はポートフォリオの完成を修了の形としています。
しかしながら全体のスケジュールは非常に短く、訓練期間中に就活まで至るには明らかに厳しいものがあります。
かく言う私はPCやサイト運営が趣味だったことに由来する独学で学んだ予備知識があったので、制作は比較的早くに実行・完成することが出来ましたが、それでも就活開始は修了ギリギリで、訓練期間中に面接が出来るほどではありませんでした。
短く限られた期間でポートフォリオを完成し、就活まで至るには訓練内容へ常にポートフォリオ制作を紐付ける必要があります。
例えば、基礎学習の中で訓練生が自由に作品を作る時間を設け、それらをポートフォリオに活用できるといった要素を各訓練に付随させることで少しずつでも制作に繋げて制作時間の短縮を目指します。
WordPressの授業においても、サンプルサイト制作はやったものの、WordPressを自由に触る時間を設けなかったため、訓練生が十分にWordPressを理解できていなかった側面があります。
システムの理解やもの作りには造詣を深める必要があり、ただ基礎をやっただけでは身に付きません。
この辺は当人の自発的な勉強による独学で補填しなければならない要素であるとも言えますが、そこに関心を向けるきっかけや後押しが何かあれば尚良かったのでは?とも考えます。
サンプル制作後には自由にWordPressでサイト作りの時間を設け、それをポートフォリオサイト作りに流用できるようにするなどして触れる機会を増やし、ポートフォリオ制作期間に入る頃にはWordPressの造詣を深められて、デザインやプラグインなどのこだわりや活用が期待できます。
これはバナー制作やライティング記事作りでも同様です。
とにかく学んで作ったものをポートフォリオに反映できるようにしていく必要があります。
ただ作ってそれでおしまいに出来るほど時間と労力に余裕がありません。
当初、入校した面子の中でPCやデザインに関する予備知識が多少なりともあると思われた人は私も含めて数人ほどと見受けられましたが、最後のポートフォリオの発表会を見る限りでは私なんかよりもずっとデザインが上手く、綺麗にできている人が多かったです。
しかし媒体への理解の不足によってせっかく作品自体は良いものが作れているのにそれを活かせる土台が作り切れていない感がありました。
言うなれば修了制作開始の段階で「ポートフォリオ作りをしている」よりも「ポートフォリオ作りを学んでいる」ような状態です。
予備知識がある人には使い方が理解できているからこそ、そこに必要な機能や素材を自ずと構成する思考がありますが、初見の人はその思考自体がまだ備わりきっていないので、「そう考えられるようになる(創意工夫の発達)」機会自体をもっと培う必要があると思いました。
今回の訓練にてそれが慢性的に不足しているように思えました。
初見の人は自発的にそこまでの考えには単に基礎を学んだだけではまず至りません。
これは自分の専門外の分野なら誰でも同じです。
説明会でも修了後の就職率があまり高くない話をしていたのも頷けました。
だからといってより高価な教材や特別な授業が必要である訳ではありません。
それらコンテンツに自由に触れて作る時間や、先生からの実体験に基づいたお話やアドバイスなど、とにかく訓練生が関心を持てるきっかけともいえる後押しが訓練の中でもっと組み込まれていることが望ましいです。
自発的に勉強するかしないか、という当人の問題でもありますが、きっかけがないと自宅学習の時間の猶予がいくらあっても関心の薄い専門外のことに自ら理解を深めようとする気には中々なれません。
自己責任と言えば自己責任でもありますが、せっかくの訓練という場でもあるので、そこへ一押しできるきっかけを作ることができるのもまた訓練校の特性です。
思いの外些細なきっかけの一つだけでも人の関心ややる気に大きく影響を及ぼすことがあります。
短いスケジュールである以上、最低限の練習課題をやりつつ、最大限の作品作りの環境が必要です。
↳訓練内容に造詣を深めるきっかけ作りとポートフォリオ制作の紐付け
以上の内容に基づいた短い訓練期間でポートフォリオ制作からの就活といった一連の流れに対する訓練の質と進行の効率性の向上を目指した改善が必要であると思いました。
訓練を修了した感想
私は今まで、自分の目指す将来のビジョンが思い浮かばずに迷走するように仕事を転々と渡り歩きました。
それが近年になって自分の得意なものを仕事にするという結論にようやく行き着いた手合いです。
この職業訓練を受けるに当たっても、事前の説明会で訓練外でも勉強が必要不可欠であるという話を受けて、主要の学習は自宅で行い、訓練校ではそのおさらいをするぐらいの気持ちで取り組んでいました。
とはいえ、説明を受けて当初自分が想定していた難易度のハードルよりも思いの外低かったハードルであったなというのは実直な本音です。
逆に言えば自分の独学がそこまで通用できたのかと自分で自分に感心しました。
そして、この全体的に広く浅い表面的な訓練内容で本当にWeb系の仕事に就けるのか?という不安もありました。
その不安を少しでも払拭するためにネットマーケティングやSNSマーケティングなどの検定も積極的に受けました。
それでも書類選考では普通に落ちるので、乱れる自分のメンタルを諌めるのに必死な状態です。
訓練期間中、周りが楽しそうに会話している中でもたまにわからないことがあれば先生に聞く程度で、独り黙々と作業に徹する姿勢で終始していました。
これは席の並びの都合もあり、自分と反対側の席の人たちはよく会話する人が揃っているけど、自分がいる席の人たちは自分も含めてあまり率先して会話をしようとする人がいませんでした。
まぁ友達欲しさで訓練校を目指した訳ではないので終始寡黙を貫き通して、得るものを得たら最後も霧のようにさっさと消えて帰ろうぐらいに思っていました。
しかしながら最後の最後の修了後にお昼ご飯に誘われて他の方々と会話ができたのは良かったです。
正直前日にお誘いを受けた時には本当に悩みました。
誘われたとはいえ、今までほとんど会話もしていない自分なんかが果たして同席しても良いものなのか?と。
ぼっちで陰キャな自分なんかがいたところで空気を壊すのではないか?あるいは、誰とも一言も言葉を交わさずに食うもの食って帰るだけではないか?と。
自分がそこで場違いな異物っぽくなるのがなんか嫌なんですよね…。
過去に思い当たる嫌な思い出がいくつかあったので普通に断ろうとも考えましたが、どうにも後ろ髪が引かれる気分だったのでやむにやまれず帰宅後に親に電話して相談してみました。
自分「俺はどうすれば良い?」
母「あんたどうせ部屋に籠もってばかりで人と話していないんだから少しは人と話してこい!」
自分「さいですか…(ーー;)」
思えば前職以来身内以外の人間とほとんど会話していなかったのは確かに否めない。
あまりそんな状態が続くのもコミュ力が落ちるので良くない。
どうせこの一回ポッキリの機会しか無いのだから行くだけ行ってみるかといった感じに考えた次第でした。
しかしそんな不安と打って変わって訓練修了後には普通に話しかけてもらえたので個人的には救いでした。
独りでひたすら作業していると方向感覚のようなものが鈍るような感じで大した理由もなく人へ普通に話しかけることすらできなくなるぐらい退化するので、当初の懸念が杞憂で済んで内心ホッとしていました。
あろうことか、お昼ご飯の席では隣りに座っていたお方が前職で私がお世話になっていた上司の娘さんだったことには心底びっくりしました…。
ああ、もしお誘いに乗らなかったらこれも知ることもなかったのかと考えると複雑なものがありますね。
半年も同じ場所で勉強していたのに、全く気付くことがなかったのですから。
でも自分は訓練校に受かった時、普通にその上司にご挨拶がてら報告しに行ってるんですよね…。
しかも世間話の中でご自分の娘の話もよくしていたのに。
あちらもあちらでなんで気付かなかったのやら…。
まさか、そうだと知らない私にあの上司は一杯食わせる気だったのか?なんてことも考えつつ、また後日かつての上司に聞きに行ってみようと思います。笑
この半年間は自分の事でとにかく必死でそれ以外のことが何も考える事ができませんでしたが、最後の最後で色々と話も弾むことが出来てちょっと報われた感じがしました。
何はともあれ以上が、私が職業訓練校に通った感想になります。
長々と失礼致しました。